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日々是煩悩

ちょっと思うところ・・・

説教じみた事を言うのも好きじゃないし、言えるようなご立派な立場じゃありませんが。
それでも考えさせられます。
今回も、多頭飼育に絡んだ悲惨な事件が起こりました。
アパートで家賃滞納のため退去した女性の部屋から、実に175匹にも及ぶ猫の死骸が見つかったということです・・・

色々な記事を読んでみても、虐待していた訳ではないし、死骸の入った袋などにはそれぞれの猫の名前が記されていたそうです。

確かに、この事実のみを捉えて「無責任」だの「これでは虐待に等しい」だの「飼育の資格はない」だの非難する事は簡単です。
当事者の女性に対する社会的責任はあくまでも動物愛護法に基づいて、何らかの処分はあるかも知れません。
場合によっては事件性無しということでそのまま終わるかもしれません。
そして、社会的にはそれで終わるでしょうね。

しかし、多頭飼育崩壊の事件は過去にもいくつもあります(勿論エセブリーダーによるものもありますが)。

この女性が何らかの問題あるいは「動物への依存」という心の病を抱えていた可能性に目を向ける人はいなかったのでしょうか。
あくまでも憶測の域ですが、「可愛い」あるいは「可哀想」の思いが高じてこうした結果を招いたのだとしたら、本当に人に対しても動物に対してもなんともやり切れません。

誰かに相談する術を持たず、また、苦情ばかりで女性の心情に目を向けてくれる人にも出会えなかったのではないか、そうした悪循環の中で孤立してしまったのではないか・・・と。

自分も一歩間違えれば同じようになっていたのではないかとさえ思います。
知り合いのボランティアさんから、飼育放棄ややたらと急いで動物を欲しがる人には「病」とまで行かなくてもメンタルな問題を抱えているケースが多い、という話を聞いたことがあります。
そして同時に「まず頑なな気持ちをほぐして、信頼関係を築くところから飼育環境の改善をはかる」のだそうです。

色々書きたてたとて、所詮自分に何が出来るわけではありません。
結局こうして日々自分の情けなさを悔やみつつ、その一方で自分の手の中で死んでいった子達のことが忘れられず、同じところをグルグル回ってるわけです。

それでも、周囲の支えのある自分は恵まれていると思います。
家族、友人、そして今までに出会った信頼できる先生方・・・
そうした方々のおかげで今やヘロヘロになりつつも「アタシが引き取ったんだから絶対に死なせない」という気合のみで今日に至っているわけであります。

いつかはきちんと書くことによって気持ちを整理しようと考えていたのですが、恐らく全ての原動力は安楽死させた「福ちゃん」に起因しているということは自分で判っています。

保護されたときから下肢の自由がまったくきかず、衰弱が進んでいた子でした。
学生だった自分に何が出来るわけでもなく、ただ豊島区内の(先代の)H林先生にお願いするしかありませんでした。
レントゲンを2枚撮り、そのほかの処置を色々して2日間診て下さった先生は「あなたの飼い猫ではないから」という理由で、数千円の治療費しか請求なさいませんでした。
最後の時も病院の名前で府中の慈恵院というお寺に供養の手続きをしてくださいました。

茶トラ白の可愛らしい女の子でした。
何のために生まれてきたのか、自分が殺したという意識が消えず、死んでから「福」という名前をつけた子です。

罪悪感だけで猫を保護しているわけではないし、福や牡丹の代わりのつもりで3匹の保護を引き継いだわけでもありません。
でも、やっぱり何処かでそうした子達への様々な思いが甦ります。
良い悪いで片付けられるような単純なことではないし、何とか自分の中で昇華させたいけれど、結局墓場まで持って行くんでしょうね(苦笑)
by jiujiuK | 2006-05-20 22:38 | ネコ話

B型ですけど、ナニか?
by jiujiuK
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